古代人は、何から糸を作っていたのだろうか…
縄文土器などから発見されるのは、アンギンの跡形のみで、繊維が発見されているわけではない。
しかし、後世の人間たちが伝えてきたあんぎんの技術には、カラムシ(苧麻)から作る繊維で糸を撚り、衣類を作っていた。

カラムシは宿根草、春先に出た芽が梅雨時には1m近く伸びる。地際から刈り取ると、夏の終わりにはまた同じ草丈に伸びるそうである。
こうして刈り取ったカラムシから繊維を取り出して、茎の表面をこそぎ、水にさらして干す。
これを水をつけながら撚り上げて糸にするのである。
現在でも生産農家もあるようだが、本来は野山に自生したもののようだ。
この辺りでも生えているらしい。
中には、植物に詳しい地元の方が庭先に植えていたりもする。
次回はこの干した繊維を元に、あんぎんを編んでみたいと思う。