
冬の色…
冬の香り…
冬の味…
人それぞれに思い出すものがあるだろう。
私にとっての冬の香りや味は、柑橘類に集約される。
かつてはさほど好きだったわけではない。
むしろ、子供の頃は甘いミカンは好きでも、八朔や夏みかん、スダチやカボス、ゆずなどはなんで必要なのか解からなかった。
何時からだろう…
柑橘類の味や香りを異様に欲するようになったのは…
ここ数年は、YOSHIが長崎から大量にレモンをはじめとして柑橘類を手に入れてくれている。
そのおかげで、マーマレード作りが冬のひと仕事となった。

レモンの皮を剥き、綿の白い部分をせっせとそぎ取る。
この作業が、一回にジャムを作る手間の大半を占めている。
部屋に充満するレモンの香りに包まれることはこれ以上ないほどに心地よいのだが、緻密な、そして地味な作業に指は次第につってくる。

中身は、果肉と果汁を取り出す。
先程の皮は、細切りにして3回茹でこぼしあく抜きをする。
この果肉と果汁を渋る作業で、手の皮が見事にふやけてしわしわになる。
種を入れないようにするのも一苦労である。

残った綿と絞った中袋などをまとめて、やはり3度茹でこぼし、さらにひたひたの水でコトコト20分程煮込んでペクチン液を作る。
このペクチン液を漉す際に、押してはいけない。苦みが強く出てしまうからだ。
ボウルの上に乗せたざるに開けて、ゆっくりととろみのついた液体が落ちていくのを待つ。

このペクチン液+皮+果肉+果汁の重量の約7〜9割の砂糖を用意しておく。
ペクチン液に茹でこぼした皮と砂糖を加え、灰汁をこまめに取りながら20分煮込む。
そこへ果肉と果汁を加え、さらに20分ほど煮込む。
この状態では、さらさらとした液体状の出来上がりである。

煮沸消毒した瓶に、熱々のジャムを流し込み、軽く蓋をして抜気作業をする。
冷めていくにしたがって、ペクチンの作用でジャムは固まり、鮮やかな黄金色のマーマレードとなる。
この冬、幾度となく作ってきたマーマレード。
最後のひと仕事には、残っていたゆずをたっぷりと入れて、ちょっと苦みと香りの効いた大人のマーマレードを作ってみた。
今年の年末に、またレモンの仕入れができるまで、一年この味と香りをたっぷり楽しもう。
posted by KAZUおばさん at 00:00|
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ALMANACの厨房から
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